目覚める自己治癒能力

鍼灸治療は身体の反応を利用したものです。

鍼灸医学は、症候と生体の反応を詳細に観察して対応する治療技術として発展した治療学でありその根本の考えは病気は生体の恒常性（病気を自然に回復させる力）の乱れで発症するという認識に立脚しています。

身体の表面に機械的な刺激（鍼）や熱による刺激（灸）をあたえ、自然に起こる反応を利用して病気を治療・予防します。

鍼や灸で身体の一部を刺激すると、中枢神経の中にモルヒネのような役割を持ったホルモンが放出されるため、痛みが抑制されこれによって腰痛・膝痛など患部の痛みをやわらげます。

また筋肉の緊張をゆるめ、施術箇所周辺の毛細血管を拡張し新陳代謝を高める効果もあります。その結果、血流が改善されたまっていた疲労物質が流されて筋肉の疲労が回復します。

さらにツボといわれる経穴に刺激を与えることで、人体内の反射を起こさせ内臓機能を改善させたり、自律神経のバランスを整えます。

鍼灸治療はそれぞれの人が持つ自然治癒力を引き出し、免疫力を高めて病状を改善する治療法なのです。

☎︎０３−６８７５−３３２７

現代病といわれるものでストレスを起因とするものは少なくありません。鍼灸が新たに注目されている理由の一つは、現代社会特有の症状に対応できることです。

自分の健康は自己管理する時代。昨今は生活習慣の変化により現代社会特有の症状を訴える患者さんが増加していますが、これらの症状は人間本来の体質を取り戻しバランスを保つことで大きく改善されます。

東洋医学では、未病治という考え方があり、病気になる前の体の状態を維持する予防医学のことを意味します。

病気は突然なるものではありません。人は長い間に、疲労・ストレス・老化などさまざまな経緯により体は弱っていきます。それを守っているのが食生活や運動、睡眠といった自分でできる外部環境を整えること。

鍼灸治療は、人間の持つ「自然治癒力」を引き出し内部環境を整え病気を治す一方、未病治という予防医学としても優れています。

人間は老いに勝つことはできないが、賢く老いることはできます。鍼灸の得意とするところは、自然治癒力を高め、体質を改善し、身体のバランスを整えること。まさに現代にうってつけの治療なのです。

ストレスの緩和と未病治

鍼灸の伝統治療をWHOが認定

漢方薬や鍼灸など日本の伝統医療が、WHO（世界保健機構）で認定されています。

国際的に統一した基準で定められた疾病分類である「国際疾病分類」（ICU）に伝統的な東洋医学の章が追加され、１００年以上西洋医学一辺倒だった世界の医療基準の転換点となるとともに、中国と異なり独自に発展してきた

日本の鍼灸という伝統医療の再評価につながり注目されています。

WHOでは鍼灸療法の適応症として、以下４１もの症例を挙げています。

世界で注目される鍼灸療法

◉ WHO（世界保健機関）におて鍼灸療法の適応疾患　◉

神経系疾患

　神経痛・神経麻痺・けいれん・脳卒中後遺症・自立神経失調症・頭痛・めまい・不眠

　神経症・ノイローゼ・ヒステリー

運動器系疾患

　関節炎・リュウマチ・頸肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛

　外傷の後遺症（骨折、打撲、むちうち、捻挫）

循環器系疾患

　心臓神経症・動脈硬化症・高血圧症・低血圧症・動悸・息切れ

呼吸器系疾患

　気管支炎・喘息・風邪及び予防

消化器系疾患

　胃腸病（胃炎・消化不良・胃下垂・胃酸過多・下痢・便秘）

　胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔瘻

代謝内分泌系疾患

　バセドウ病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

生殖、泌尿器系疾患

　膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

婦人科系疾患

　更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え症・血の道症・不妊

耳鼻咽頭科系疾患

　中耳炎・耳鳴り・難聴・メニエール病・鼻出血・蓄膿症・咽喉頭炎・扁桃炎

眼科系疾患

　眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

小児科系疾患

　小児神経症（夜泣き、疳の虫、夜驚症、消化不良、偏食、食欲不振、不眠）

　小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善